不動産の一括借上げの評判、実態。(システムへの疑問②)
2020/01/29
先日、管理会社からの電話・・・。やっぱりお金のかかる話か~。
エレベーターの基盤が壊れたらしく、故障個所の修理費が約9万円。去年も自動ドアが壊れたし、壁に穴が開くし、なんやかんやで修理費がかかります。
そして翌日電話・・・。せっかく満室だったのに退去か~。
ある程度の退去や修理費は折り込んで考えていますが、でもかからん方がいいですよね。こんな時、一括借上げの方がよく感じます。
本題のつづき、
不動産の一括借上げの評判、実態。
「大東建託のサブリース(一括借上げ)は大丈夫なのか?」システムへの疑問②
前回では、システムの良い点を紹介しました。では、注意点を今回は解説したいと思います。
システム自体に、悪い所は正直に見当たりません。ただ、オーナーは個別に注意しないといけない点があります。
・建築費は地場の工務店などに頼むよりは高い。
35年間借り続けるリスクが大東にもありますので、メンテナンス費用を下げるためにも独自の資材を使っています。建設会社ですから建設時に利益をある程度は取りに来ます。値引き交渉は必要です。
・支払賃料は10年間固定ですが、募集家賃は変動している。
この点をよく見ていれば、10年目の見直し時に借上げ家賃がいくらになるのかが予測できます。契約時、借上げ対象物件の募集家賃が50000円だと借上賃料は42500円(フルパッケージ)がオーナーに支払われます。この42500円が10年間固定です。
しかし、募集家賃は大東建託が自由に決めることができます。52000円で貸そうが、45000円で貸そうが、借上げ賃料42500円はちゃんと払うのだから問題はないですよね。一応、募集家賃が上がった場合は折半にはしてくれます(色々計算がややこしいのできれいに折半ではありません)。下がると補填しないといけなくなるので、出来れば上げて貸したい気持ちはオーナーと同じです。しかし、「空き家率を下げたい。」「今月の客付け実績が足りない。」などの営業マンや会社の都合、または管理がずさんで内見で中々決まらなくなったなどの人的な要因で家賃を下げて客付けする場合があります。例えば10年間で、2回入れ替わりがあったとしましょう。
新築50000円 → 1回目50000円 → 2回目45000円このまま10年目見直し → 11年目からは45000円(支払賃料38250円)が見直し家賃になる可能性があります。
いくら10年間固定だからとほったらかしではなく、今一部屋いくらで貸しているのかは必ず把握して下さい。市場の影響での値下がりは仕方ありませんが、人の要因による値下がりは防がないといけませんので担当者とは密に打ち合わせをし、なんでこの家賃なのか納得いくまで打ち合わせをしましょう。
・利回りが悪い。
これは表面的に悪く見えるだけで、比べる基準が違います。
一般管理は何があるのかわかりません。毎年入れ替わりの件数は違います。原状回復費、募集時期による空き家期間・広告料、電気設備の故障頻度など、これらは予測が立ちません。
ただ、私が一般管理物件の5年分の収益表を、フルパッケージに置き換えて計算したところ、良くも悪くも年間の手取り額はそんなに変わらないです。出入りが多いと借上げの方が良いし、少ないと一般の方が良いだけのことです。
・数字が悪いときには営業第一に走る。
企業の利益追求は当然のことです。何かあれば社員、家族に迷惑をかけるし、何よりも地主様(オーナー)に迷惑をかけてしまうので数字を作らないといけません。
しかし、オーナー1人ひとりは自己防衛をしないといけません。私があまり好きではないのが、「休止エリアの開放」です。大東建託では供給過剰にならないように、「制限エリア」「休止エリア」を定めています。これ以上は建てないというエリアです。
これはむやみやたらに建てるよりは需給バランスを考えた素晴らしい取り組みと思います。ただ、数字が悪いときに開放したりします。「供給が足らなくなったので限定で・・・。」これはなしです。普通に考えて、数年で需給バランスが変わると思いますか!?もちろん、開放する理由が明確な場合もありますので見極めが大切です。
システムが悪いというよりは、システムでは補えない所があるので注意しましょう。
次回は、
「壁が薄い、防音が悪い、建物の質事態がわるいのでは?」商品の疑問
つづく