住宅売却、景気悪化で最悪のケース。
2020/07/26
私たちの生活は、不動産とどのように付き合うかによって大きく変わります。
上手く付き合うことで大きな資産を形成できる人もいれば、逆にすべてを失う人もいます。
賃貸を借りる時だって、知らなかった、知識がなかったことによって損をしてしまうこともあります。マイホームを買う時、売る時も適切な値段だったのか、損得はあったのか、知らなければ間違いなく知っている人との差が出てしまいます。
規模の大小はありますが、不動産とのかかわり方で人生が変わってしまうこともあるのではないでしょうか。
今後の経済がどうなるのか、とても不透明になっていますが、この度は不景気に入るとよくある話を紹介します。
<Aさんの住宅ローンの末路>
プロフィール
Aさん(34歳)、奥さん、子供2人(低学年、幼稚園)
購入して3年経過、35年住宅ローン・年2回ボーナス払い
Aさんはある日、10年近く務めた会社をリストラされ職を失いました。住宅ローン、自動車ローン、子供の習い事、お金がかかる事ばかりで、とても奥さんにリストラの事を告げることが出来ません。世間では名の知れた企業だったし、元々いい恰好しなところがあるので、プライドの高いAさんは、奥さんにばれないように立て直そうと考えていました。
今時、選り好みしなければ、直ぐに勤め先は見つかります。無収入になる最悪のリスクは避けることは出来ますが、当然前職ほどの給料はもらえません。大体、給料は前職の半分~三分の一以下になることは覚悟しないといけません。それでも働くことか出来るのであれば、今後挽回できますし、前職以上の収入を目指して頑張ればいいのですから問題ありません。
しかし、10年かかって手に入れた生活に戻るのは、数ヶ月どころか1,2年かけても困難です。
退職後もAさんの家庭では、収入が半分以下になっているのに月々の支出は変わりません。当然、貯金はすぐになくなり、ローンの支払いが出来なくなってきます。とうとう家族や周りにばれないように、消費者金融でお金を借り始めます。
普通の住宅ローンが1%前後なのに対して、消費者金融は3~18%です。
最初は不安でドキドキしながら借りましたが、一回借りると「こんなものか」と感覚がマヒします。
それでやりくりすれば「何とかなるのでは!」と思ってそうするのでしょうが、なんとかなる訳がなく、月々の返済が増えるだけです。
返せない→借りる→返せない→借りる→返せない→借りれない
消費者金融の膨れ上がった借金の金額を見てびっくりです。「絶対に奥さんに言えない・・。」
親、兄弟、親戚、友人に頼る。親とは有り難いもので、援助してもらえたようですが、焼け石に水。
どうにもならなくなり、
変なところから借りる→借金雪だるま式地獄の始まり→仕事どころではなくなる→考え方が正常ではなくなる
ここまで行くと、体と精神に異常が出ます。さすがに奥さんにもばれてしまい、Aさんも観念してすべてを話しまが、時すでに遅し・・・。
Aさんはどうなったのか?家は二束三文で競売(一番してはいけない売り方)、財産没収、自己破産、離婚など、経験したくないことのオンパレードです。
悲惨な話ですが、本当によく似たような話をよく耳にします。
<Aさんの失敗は何だったのか!?>
最悪ポイントは2点、
最悪1、奥さんに正直に話さなかったのがすべての始まり。
話せばきっと力になってれますし、苦労も共にしてくれるはずです。一番の協力者に相談しなかったのが大きな失敗です。奥さんとは、心と体の支えになってくれる唯一の存在です。隠し事は絶対にダメです!
そこで一緒に立ち向かってくれず、責めてくるような奥さんだと少し考えものです。これから何度もある試練に打ち勝てません。「子供はどうするんや!?」と言われそうですが、親として子供を絶対に不幸にしてはいけません。そうならないように、先に手を打つべきです。
最悪2、支出のバランスを修正しない。
「奥さんにばれたくなかった」は置いておいて、単純な足し算引き算です。収入が半分なら支出も半分に抑えないとアウトです。(元々月200万が半分の100万になったとかはナシで一般的な話で)そこを変えないと不足が出ます。不足を埋めるには、収入を増やすか借りるしか方法はありませんので、どっちかになります。
借りるは絶対にダメ!親兄弟もダメ!消費者金融なんか論外、選択肢にすら入れてはダメ!!考えてもダメ!!
収入はすぐに増えません。歩合の高い会社に勤めていきなりエースになれる自信があるなら大丈夫ですが、そう簡単ではありません。
<支出を減らすのが一番現実的です。>
・無駄な教育費はやめましょう。(その塾や習い事って本当に必要ですか?親の見栄が入っていませんか?)
・住宅ローンの期間延長、金利の引き下げの相談をしてみましょう。
・負の財産を手放しましょう。(家が最大のネックです。家や車は、ただの見栄でしかありません。)
・入っている保険を見直し、いらないのは解約しましょう。(意味のない多額の死亡保険金、医療保険っていりますか?)
これだけ見直せば、人生が狂うことはありません。
家や車、保険がなくなっても大して困りません。変わるものはいくらでもあります。子供も、家庭が居心地の良い場所であれば、沢山習い事をさせなくても立派に成長してくれます。
ただ、本当にお金がないのはすごく困ります。収入が多い少ないではなく、常に収支のバランスを考えて生活すれば何とかなるし、工夫も出来ます。
特に日本人は家に対しての執着が強すぎると思います。「何とか家は守りたい」って言う人が多いですが、そんなに大事ですか?ちょっとずれますがついでに、いつまでも売らずに空家のままにしておいて、「大切な生家だから!」・・ほったらかしておいて大切?
もっと簡単に売り買いしてもいいと思います。所詮は物ですし、守るべきものは家ではなく家族です。
どうしても家、好きな車が欲しいのならまた頑張って、買える時に買えばいいのではないでしょうか。それは仕事の励みにもなりますし、目標に向かって取り組むことは非常に楽しいことです。
今から、どんどんピンチが来るかもしれません。
そのピンチの度に、何を残して何を切るべきか「欲や未練に囚われて判断する」のではなく、「明日からも笑って過ごせる道」を選べるように判断していきたいと思います。
「少し心配だな~」と思うところがあれば、直ぐに相談頂ければと思います。
早い段階であれば、打てる手があると思います。