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借上げ家賃更新、準備は大丈夫ですか?

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借上げ家賃更新、準備は大丈夫ですか?

借上げ家賃更新、準備は大丈夫ですか?

2020/11/01

借上げ家賃更新、準備は大丈夫ですか?

 

今でこそ、一括借上げ・サブリースは有名なシステムですが、まだ歴史は浅くメジャーになったのは2005年前後くらいだと思います。

賃貸事業の人気は、2008年リーマンショック以降一気に高まりました。

リーマンショック直後は銀行融資が付きにく、買える人が限られてしまったため、不動産物件価格が下落しました。しかし国内・海外の富裕層は、ここがチャンスと一気に買いまくり資産を拡大しました。

相続税の法改正があり、地主さんは相続税対策のためにアパートやマンションを建築し、土地を持たない富裕層は、土地を購入して新築アパートやマンションを積極的に建築しました。

経済が落ち着いてくると、賃貸事業の安定性に注目した金融機関はアパートローンを強化し「低金利」「40年返済」「金利長期固定」など融資しやすい商品を打ち出し、積極的に融資を行いました。そこで一大ブームともいえる、不動産投資が大人気になり多くの大家さんが誕生しました。

後に、やりすぎた感が出てしまい、色々問題もありましたが・・・。

 

さて、一括借上げの家賃固定期間が長くて10年。

そろそろ、見直しの打診をされているオーナーさんも多くいらっしゃるのではないかと思います。

先立って、固定期間が2~5年の短いシステム内容の借上げは、問題が多く勃発しています。

今から更新を迎えるオーナーさんは、十分に物件の状況を把握して交渉に挑んで下さい。意味の解らない値下げ交渉の同意は絶対にしてはダメです。

少しでも交渉が有利に運べるように、簡単ではありますが内情を説明します。

 

<新築時、一括借上げの家賃はどうやって決めるのか?>

 

①家賃審査を行う部署がある。

営業とは別に、家賃を調べ、固定期間中の家賃を決める部署を配置しています。

審査部では、ベンチマーク物件を定め、その物件の設備や状況を細分化し、数年後の家賃を予測して、足し算引き算で対処物件の家賃を決めていきます。しっかりと市場を見て家賃を決めるので、正しい家賃設定がなされます。

営業マンが家賃を決めることが出来ず、審査部門が家賃査定を下ろします。

 

②営業マン(支店や上司)が決める。

担当の営業マンとその上司などが相談して家賃を決めるケースです。

もちろん近隣の情報などを元に、根拠のある設定をしますが、どうしても営業マンの気持ちや感情が入ってしまいます。

「家賃が、もう1部屋5000円高かったら、表面利回りが6%超えるのに・・・。」(お客さんに売りやすい)

「家賃が、もう1部屋5000円高かったら、1000万円上乗せできるのに・・・。」(成績を上積みしたい)

その会社や支店、営業マンの都合で家賃が決まってしまうことがあります。

そうなると、市場と不適切な家賃設定になる可能性があります。

責任を持って、しっかり家賃査定をしている会社がほとんどですが、中にはこういった会社もありますので注意が必要です。

 

 

<①と②の内情>

 

10年固定期間がある会社は大体①が多いです。10年間という長い期間、借上げた管理会社は最初に決めた家賃を払い続けなければいけません。

最初に間違った家賃を付けてしまうと、会社に大きな損害を与えてしまいます。

その部署は、責任の所在をはっきりさせる目的もありますが、10年間ぶれない適切な家賃設定を行うための専門プロフェッショナルです。

まあ正直なところ、無難な家賃を付けてきます。

「ちょっと、安くない?」と思ってしまう家賃設定です。

 

1~5年固定のシステムは、ほとんど②です。

質の悪い会社だと、数年で更新出来るので、はじめの家賃を高めに付けて収支をよく見せます。そのような設定をしていると、間違いなく更新時に下がります。下がるというよりは、市場の適正家賃に合わせられます。新築プレミアム家賃につられて物件を購入、建築してしまった末路です。

この様なケースで問題が多発し、サブリースのイメージが悪くなりましたね。

 

 

<更新時、やっぱり借上げ賃料は下がるのか?>

 

①は10年の更新時、大きく借上げ賃料は下がらないと思います。良く言えば適正家賃だから、悪く言えば元々家賃設定が安いからです。10年見直しの内容も数件見ましたが、下がっても3~5%程で、通常はさほど下がっていません。

ただ、大きく下がってしまうケースもあります。

 

・賃貸の需要が少ない郊外。

・明らかに供給過剰に思える郊外。

・エリアに適さない間取り・駐車場率

 

上記は需要と供給の問題です。当然、バランスが崩れると価格は変わってきます。特に郊外で、元々10年前はアパートは建ってなかったのに、いつの間にか十数棟建っているエリアは供給過剰は否めないと思います。

 

・設定時に割高だった。

審査部署を置いていようが、本質は営業会社だという事を忘れてはいけません。

営業部が「もう少し、利回りが良ければ・・・。」と審査部署に頼んでしまいます。「今回だけですよ・・・。」と審査部署も許してしまうかもしれません。

これは、部署があっても②と同じなので意味がなくなってしまいます。しっかり厳守している会社かどうか、見極めないといけません。

 

・管理会社・担当者によるもの。

更新時までの推移で、家賃が見直されます。高い家賃よりも、低い家賃が更新の基準になります。

「201号の家賃だけが異様に安い」は放置してはいけません。その家賃が基準になってしまう可能性があります。

なんでその部屋が安いのか?を調べてください。それが、管理会社側の都合だったら許してはいけません。

「空家率を下げたいので、今回だけ家賃を下げて募集しました。次の募集は戻します。オーナーさんに支払う借上げ賃料は減りませんので大丈夫ですよ。」

営業マン、各支店は常に数字に追われています。追われて苦しい時は、楽な道を選んでしまいます。気持ちはよくわかるのですが、営業マンのその場しのぎは、オーナーにとって数年間にわたり、大きなマイナスになってしまいます。

 

②は間違いなく下がります。

正しく設定された家賃は別ですが、新築プレミアム家賃など明らかに市場とかけ離れている家賃であれば、間違いなく下がります。下がるというよりは市場の適正な賃料でないと、誰もその部屋を借りてくれません。

市場に合わせた家賃価格での更新になります。

新築時の利回りは重要です。最初が安ければ、利回りが良くなる可能性はあります。しかし、高い家賃設定での利回りは、そこが天井で収支は悪くなる未来しかありません。十分に注意しましょう。

 

 

<どう交渉していくのか?>

 

築8~9年頃から、管理会社の担当者が更新家賃の提案にやってきます。

その前に、しっかり準備をしてください。これからの収益を守るためにも努力を惜しんではいけません。

では、何をすればいいのか?

とっても簡単です。

 

1.築10年の同じ条件(間取り、場所、建物構造等)の賃料を調べましょう。

SUUMOやアットホームで簡単に調べれます

2.近隣の新築の家賃を調べておきましょう。

自分の物件の新築時といくら差があるのか把握しておいてください。

3.一番高い家賃と低い家賃、何が違うのか分析してみましょう。

設備が違うのか、宅配ボックス、防犯、共用物などプラス材料マイナス材料を、現地に行って確認することが大事です。

4.物件の家賃を、自分なりに想定しましょう。

客観的に、自分だったらいくらで借りるかです。

 

上記4点を前もって準備しておけば、怖いものはありません。

 

管理会社の提案内容が「安いな」と思ったら、上記4点の資料を元に話し合うことです。何を根拠にその金額なのか、何を基準にしているのか、相手の考えを知ることが大切です。

ベンチマークにしている物件を一緒に見に行ってみましょう。設備ならどこまで差があるのか、その設備をつけたら同じ家賃にしてくれるのか、トコトン納得するまで話し合うべきです。

正論であれば、無視する管理会社はないと思います。

 

例え下がることに自分自身が納得できれば、それはしょうがないと納得できると思います。

「なんでなんか?」とずっと不信感を持ち続けることが辛いと思います。

 

 

<管理会社は星の数ほどあります>

 

「管理を切られたらどうしよう・・・。」なんて思う必要はありません。

気に入らない更新なら、解約してしまうことも一つの手段です。

一括借上げでなくても、空家を埋めることは出来ますし、十分に利益を残すことは出来ます。モヤモヤした気持ちでいるよりは、気に食わない管理会社はスパッと切ってしまいましょう。より良い会社を見つければいいだけの事です。

 

賃貸経営はその名の通り事業です。何かにすがる事業ほど、つまらないものはありません。

事業パートナーとして、対等に付き合うことを考えていきましょう。

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