広島市の不動産賃貸事業、一括借り上げに切替はアリかも!?
2022/04/13
こんにちは!
広島市、府中町で活動しています、AXCISの䑓原です。
「不動産賃貸事業は不労所得だから楽だ!」と思われがちですが、そんなに簡単なものではありません。
確かに不動産が収益を生んでくれるのですから、オーナーは肉体的に活動することは無く、時間を多くとられることはありませんので、通常の事業に比べたら楽なのは間違いないかもしれません。
ただ、やはり事業なので他の事業と同じようにリスクがあります。
空室が続いて返済できなくなったらどうしよう・・・。
事故物件になるような出来事が起こったらどうなるのだろう・・・。
近くに競争力の強い物件が出来たら需要は・・・。
等など、悩みだしたらきりがありません。その様なことにならないように、開始時にはしっかりと調査が必要です。
しかし、調査をして万全の態勢でスタートしても、事業を続けていると様々な悩みが出てきます。
そうした中、オーナーさんからよく受ける相談は、
「この管理会社ってどうなん?どこかいい管理会社知らん?」
といった管理会社についての相談で、管理会社に対して不信感を抱いてしまった相談です。
理由は様々ですが「空家期間が長い」「修繕費や原状回復費が高い」「必要な交換なのか」等など、お金に関係してくることが多いです。
はっきりとその管理会社におかしい所があれば対応は簡単なのですが、適切かの判断が難しく、取り合えずそのまま管理会社に任せているオーナーさんも多いです。
オーナーさんが何から何まで対応できる知識と経験があればいいのでしょうが、現実的には難しいと思います。
では、どうするのがベストなのか?
あっさり通常管理から一括借り上げに切り替えてみてはどうでしょう。
某大手メーカーが他社物管理に力を入れています
この会社は35年一括借上げにおいては実績があり、管理戸数においても全国1番の実績を持っています。
この管理戸数と入居者数の分母があることによって、出来ることの規模が他社とは比べ物にならないと思います。
今までこの管理会社は、自社の建築物しか借上げを行っていませんでした。
一応他社物件も出来る事にはなっていたのですが、会社自体他社物管理はあまりやる気がなくほぼゼロに近い状態でした。
それが去年ぐらいから他社物管理に力を入れているようです。
理由は他社物オーナの囲い込み、管理戸数の拡大、建替え物件の囲い込み等、会社にとって将来的に相応のメリットがあると見越しての施策ですが、オーナーにとってもメリットが多い内容であればこの施策に乗っかっても面白いと思います。
「一括借上げ=悪」では決してありません。
他社物一括借上げの内容
さて、すごい長文になりますので要点を簡潔に説明します。
<標準管理項目>
・入居者様募集業務
・契約管理業務
・家賃管理業務
・建物管理業務
・原状回復・修繕管理業務
管理業務の内容は通常の管理会社と同じです。
<一括借上DKサポートプラン>
契約内容:一括借上げ(審査あり)
各部屋の賃貸借契約:賃貸人は借上会社
入居中手取り賃料:入居家賃の87.2%
空室時の手取り賃料:審査家賃の77.2%
家賃支払い開始:入居中(借上げ開始月)空室中賃料(借上開始3ヶ月経過後)
家賃滞納・明渡訴訟費用:滞納有無に関わらず借上賃料支払・訴訟費用は会社負担
礼金・共益費:管理会社
原状回復費:全額会社負担
その他費用(消費税含む)
①一括借上契約登録料:55,000円✕総部屋数
②原状回復特約加入時金:110,000円✕総部屋数
③入居者登録料:11,000円(借上開始後新たな転貸借契約が開始された場合)」
④駐車区画の入居者登録料:転貸駐車料1ヶ月分
この様な内容になっています。
空家になっても90%の家賃が入る点、原状回復費のオーナー負担が無い点が目に付く良い点ですね。
気になるのがその他費用の金額です。
この額を支払って、メリットってあるのでしょうか・・・。
比較検討
実際にメリットがあるのかどうか比較検討して見ます。
部屋数20戸:各部屋賃料円65000円 駐車場台数10台:1台9900円
現在部屋駐車場満室
<初期費用>
①一括借上契約登録料 65,000円✕20室=1,300,000円
②原状回復特約加入時金 110,000円✕20室=2,200,000円
③駐車区画の入居者登録料 9,900円✕10台=99,000円
合計 3,599,000円
約360万円の初期費用・・・、ちょっとやる気の失せる金額ですね・・・。
そこで、2021年実際の収益を一括借上げのシステム内容に変換して計算してみます。
<一般管理>
年間収入額:17,635,129円 年間支出額:3,340,379円 収益額:14,294,750円
<一括借上DKサポートプラン>
年間収入額:16,676,500円 年間支出額:1,899,552円 収益額:14,776,948円
注)修繕費、税金、借入返済は条件が変わらない為計算に入れていません。
結果、482,198円一括借上げの方がお得となる計算になりました。
単純な計算だと、初期費用のもとを取るには7.5年かかります。
その年の退去件数によって差額は大きく変わりますので損得はその年次第です。
ただ、一括借上げの魅了はどれだけ退去があっても、約1,477万円から大きく変動することが無いという点です。
いくら優良物件でも入退去は必ずあります。
例えば65000円の部屋で退去があると、
1室平均:空家2ヶ月130,000円、原状回復費10万円、広告費65000円、駐車場9,900円
合計304900円のロスになります。
これが20室あるので全室入退去があれば、いずれ6,098,000円のロスが考えられます。
長い目で見て、初期費用を惜しむのか、安定性を重視するのか、オーナーさんにとって何に重点を置くかの判断になります。
まとめ
一括借上げだから、劇的に収益が良くなるものではありません。
空室が多く、空家期間が長い物件なら一括借上げの方が収益が劇的に変わるかもしれませんが、その場合だと借上げ賃料を低く設定されるし、借上げの査定自体が下りないと思います。損してまで借上げる会社は絶対にありません。
一括借上げの一番のメリットは「安定」です。
収益物件を所有していると、管理会社から電話があった時「ドキッ」としませんか?
「いつ空室は埋まるんだろう・・・。」「この時期に退去するんか・・・。」「広告費2ヶ月とか言っとるけど・・・。」「こんなに原状回復費がいるんか・・・。」「これは適切な金額なんじゃろうか・・・。」「今年は退去が無かったけど、来年ドバっと退去があるのでは・・・。」
悩んだり心配してもしょうがない不安がドンドン出てきます。
自分で判断出来て、対処できるのであれば心配しないでしょうし、正に大家の鏡と言えます。
でも大半のオーナーさんは、日々この様な不安と戦っているのではないでしょうか。
であれば、あっさり「一括借上げ」にしてみるのも良い方法だと思います。
ただ、私がいいと思えるのはこの会社のシステムだからです。
一括借上げであればどこの管理会社でもいいと言う訳ではありませんので要注意です。
また、借上げの条件によっては止めておいた方が良い場合もあります。
中にはとんでもない会社もあるので気を付けましょう!