広島市のサブリース賃料はどうなるのか?大幅下落!?その対策
2022/01/10
こんにちは!
広島市、府中町で活動しています、AXCISの臺原です。
年明けから新型コロナの患者数が広島市でも急激に増えてきました。
しっかり食べて、しっかり睡眠を取って、体調管理に注意したいと思います。
さて、前回のブログの中で「サブリース賃料の見直し」について、もう少し詳しく知りたいとのお問合せを多く頂きました。
この回ではどういった基準で見直しているのか説明したいと思います。
サブリースは会社ごとに内容が全く違いますので、サブリースが良い悪いの判断は一括りではできません。
賃貸事業を行うのにいいパートナーとして付き合える会社もあれば、絶対に関わってはいけない会社もあります。
一つの基準として、借上げ家賃の変更はどうやって行うのかも大切な基準になりますので参考にしてみてください。
一括借上げ・サブリース賃料更新の設定パターン
一括借上げの期間が30~35年と長期間でも、その間に必ず借上げ賃料の見直しが行われます。
新築時1戸6万円の借上げ賃料が何十年も変わらないということはありません。
「30年借りるけど、その間賃料は見直すよ。」ということです。
借上げ賃料の固定期間が1年単位のところもあれば、新築から10年固定の借上げ会社もあります。
この固定期間後に賃料を見直すことがとても重要です。
賃料更新のパターンと、更新基準の説明します。
・新築から1~5年固定
固定期間が短い場合、新築の段階で相場家賃よりも高めに設定されているケースが多いです。
新築だから多少高めでも入居者が付くという考えで、「新築プレミアム家賃」です。
このケースは最初の見直し時に家賃が下がる可能性が高いです。
当然年数が建てば新築ではありませんので高い家賃で借りる理由が無くなります。
問題なのは、新築プレミアム家賃を理解して収支計画を考えているかどうかです。
例えば1戸家賃6万円の相場なのに、新築プレミアム家賃8万円で計画していたとしましょう。
1棟10戸の建物だと、80万-60万円で月の収支が20万、年間で240万円のマイナスになります。
借入額1.3億円、30年1.5%の借入で計算すると、
新築時は年間約278万円(満室想定、諸経費15%で計算)年間手残り
見直し後は年間74万円(満室想定、諸経費15%で計算)年間手残り
これは年間の空家率が10%以上になると赤字になる状況です。
「おい!言っていたことと違うじゃないか!!サブリースは詐欺か!!!」と一番問題になりやすいケースです。
そもそも、新築から数年で賃料が変わる理由ってそんなにありません。変わるのは最初の賃料設定が間違っているということです。
・新築から10年間固定
新築から長期間賃料が固定されるケースは、前項のケースとは逆に最初の設定賃料が安い場合があります。
相場より高い家賃で設定してしまった場合、固定期間中自分がその不足分を補わないといけなくなるのですから慎重に設定するのはうなずけます。
オーナーさんからしてみると、「ちょっと家賃安すぎるんじゃない!?」と思われるかもしれません。
銀行からも、「新築なのに安いですね・・・」と言われることもあるかもしれません。
でも10年間は全く収入が変わらないので、10年間の収入が読めるというのはメリットだと思います。
次に「結局10年後には建物も古くなるし、同じように家賃が下がるんでしょ?」と思われると思います。
このタイプのサブリースは、建物が新しい古いで借上げ賃料を設定していません。
あくまで市場の相場で設定していますので「古いから下がる」ではありません。
10年間で地域はどう変わったのか?
地域の建物の設備はどう変わったのか?
近隣の同じような物件の家賃のベンチマークはどうなのか?
これらの違いを採点し、プラスマイナスを判断して更新賃料を提案してきます。
イオンモールなどの大型商業施設ができれば見直し賃料も大幅に上がるかもしれませんし、逆に閉鎖されたら大幅に下がるかもしれません。
最近の傾向を見てみると、10年後の見直し時の下落は多くても5~7%ほどみたいです。
10年間でそんなに環境が変わるものではありませんし、設備は1万円も家賃に影響するほどのものではありませんのでそんなものかもしれません。
最近の傾向は、便利な場所では更新後借上げ賃料を上げるケースが増えているようです。
またあまりに安く設定されていると、会社は一括借上げ賃料より高く貸せるので、その差額は借上げ会社の儲けになります。(折半の会社もあります)
最初の借上げ賃料設定時に、相場より安すぎないかも重要な注意ポイントです。
借上げ賃料に気を付けること
なぜサブリースの制度ができたかというと、常に賃貸事業のオーナーさんは空室と家賃延滞に悩まされているからです。
管理会社とパートナーを組んで、誰もが賃貸事業を安定、安心、安全に運営できるようにできた制度です。
もちろん、建築会社が「建築請負契約を取り易くするため」という企業側の目的もあると思います。
お互いメリットが無ければ意味がありませんのでそういった目的があるのも当然です。
これがWinWinではなく、企業側が利益を追求する側に傾きすぎると問題になります。
オーナーさんに事業提案を行う時、建築費は大きく変えることは出来ませんので、手を加えるとしたら収入である家賃の部分になります。
事業計画をよく見せるために設定家賃を根拠なく高くしておいて、事が始まれば後は知りませんといった企業があることは非常に問題だと思います。
しかし、これはオーナーさん側にも問題があると思います。
他の会社と比較検討した時に、他より収益がいいから選んだはずです。言い方が悪いですが「欲につられ」ては事実だと思います。
いくら一括借上げといっても事業であり管理会社はパートナーでしかありません。
パートナーは責任を取ってくれませんし、事業を行うのはオーナー自身です。
何千万、何億の事業を行うのですから、家賃設定のところから注意して考えないといけません。
注意点
・近隣の同じ構造、間取りの新築家賃相場、築10年、築20年、築30年以上の物件の家賃相場を把握する
・設備の違いが家賃に影響しているのか確認
・新築プレミアムを設定すること自体は問題なし。ただそれは新築の時だけで、相場家賃に変更しても事業に問題がないか注意する
・地域によって大学や企業など、一部の需要に偏っていないか確認する
建築会社の提案が安かろうが高かろうが、上記の点に納得できない借上げ賃料を提示してきたのであれば契約するべきではありません。
更新の時も注意点は同じです。
「そうは言ってもプロが言うのだから間違いないのでは?反論も出来んし。」と言われます。
プロと言っても、彼らはアパートやマンションを売るプロです。
また、反論できない知識しかないのであれば契約してはいけません。
自分自身が賃貸事業のプロにならないといけない自覚を持って賃貸事業に踏み込みましょう。
まとめ
何事もそうですが、知らないから不安になり後悔するのだと思います。
近隣の家賃がそうであることを知っておけば「残念!」と思うことはあるかもしれませんが、自分で判断したことなので「悔しい!」と思うことはありません。
これを人任せにしていると「悔しい!だまされた~」になるのだと思います。
賃貸事業は簡単に成功できる事業です。理由は近くに見本となる物件が山ほどあるからです。
見本に沿ってプラスマイナスを考え、リスクを回避することはそんなに難しいことではありませんし特別な計算も資格もいりません。
そしてサブリースは更に安全、安心、安定に運営できる可能性のあるシステムです。
そのシステムを生かすも殺すも自分次第ではないでしょうか。
そうは言っても馴染みにくい分野ではありますので、賃貸事業や不動産活用にお悩みの方は何なりと質問下さい。
ご拝読ありがとうございました!